
前回の記事で取り上げました弊社の新しい3Dプリンター「Ultimaker S5」
の実力測定としてこんなモデルをプリントしてみました。
このモデルでどんなテストをしたのか?と思われるでしょう。
今回導入した「Ultimaker S5」は前回の記事でもご紹介したように
デュアルノズル搭載の3Dプリンターということで、
サポート材料を使用した造形が可能です。
では、どんな時にサポートが必要なのかも含め説明していきます。
まず、今回導入した「Ultimaker S5」はFDM式やFFF式と呼ばれる「熱溶解積層法」という方式で造形する3Dプリンターです。
この方式はフィラメント状にした樹脂材を熱したノズルから射出し、積み上げて造形していきます。
簡単に言うと「ソフトクリームの様に造形する」位に思ってもらえれば大丈夫です。
下から積み上げて造形するため、真っ直ぐな造形物は得意ですが、ピサの斜塔の様な斜めに立ち上がる造形物は苦手です。
角度が浅いとノズルから出てきた材料が垂れてしまう為、綺麗に造形できないことが往々にあります。
じゃあ、斜めに立ち上がる造形物は作れないのか?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんがそんなことはありません。
そういったときにサポートを使って造形します。
今回のモデルを右から見ている絵です。
青いラインがベースプレートという、造形用のガラス板です。
このモデルはベースプレートに接している面から斜め左方向に
立ち上がっているため、左側は浮いている様な状態です。
今回、ベースプレートと斜面の角度は23度です。
※造形依頼があったモデルから一部切り取った為、半端な値です。
この角度が45度以上であればサポートが無くても造形出来る為、
角度の浅い部分にサポートを配置すると下の絵の様になります。


赤丸で囲んだ部分がサポート部分です。
サポートの役割はモデルの造形を助けることです。
このようにテベースプレートに接地していない部分を
埋める様に配置されたり、薄板や細い棒を造形する際に
周囲を囲う様に配置される等、モデルを造形する際の補助として
一緒に造形されます。前回の記事では水溶性サポートについて
触れましたが、今回の造形では「breakaway」と呼ばれる材料を
使用しました。このbreakawayはPLAに比べて柔らかく、
簡単に引き剥がすことができる為、造形したモデルの表面を
傷つけることなく除去ができます。


こちらの2枚はサポート材を使用して造形したモデルです。
2つは積み上げる層の厚み(ピッチ)が違うこと以外は同条件で造形しました。(右のほうが1層の厚みが大きい=ピッチが粗いです)
右の写真が比較的に分かりやすいとおもいますが、段差があるのが見えますでしょうか?この段差1つひとつが積層の跡です。
サポートを使用してこれぐらいの段差が目立つのでサポート無しで作ると崩壊するかな?と思いながら
サポート無しでも造形してみました。


こちらの2枚がサポート無しで造形したモデルです。サポート有と同様にピッチが異なる以外は同条件で造形しています。
右のほうがピッチが粗い設定となっていますので、よく見ると積層の跡以外に波打っている様な模様がみえます。
左は見た目には問題ありませんが、角にヒケが発生しているのか若干歪みが出ています。
しかし、どちらもサポート有に比べて格段に劣るようなことは無い為、試作や形状確認用でコストを抑えて造形したい場合は
十分このままでも問題ないレベルではないかと思います。かなり優秀な3Dプリンターですね。
今回は造形テストとして角度の浅いモデルの造形を行ってみましたがいかがでしたでしょうか?
他にもテスト用にこんなの造ってみようかなという案はあるので、造形できましたらまた載せたいと思いますのでお楽しみに!
記事をご覧の皆様で、「こんなの造ってみてほしい」というコメントいただければタイミングをみながら出力してブログ、
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3Dモデルの知識が無くても大丈夫!弊社スタッフがモデリングも行いますので手描きのスケッチからでも対応致します。
ご相談、お見積りは無料で承ります。
それでは、少し長くなりましたが最後まで読んでいただいてありがとうございました^^
by M.I
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